Core Concepts
法的情報検索システムでは、ユーザーの時間的制約と情報漏れに対する高いコストから、一般的な順位付け評価手法が適用しにくい。
Abstract
本論文は、法的情報検索システムの特徴と、その特徴が一般的な順位付け評価手法に与える影響について述べている。
法的情報検索システムの特徴:
ユーザーは時間的制約の中で高リコールを要求される
明示的なフィードバックを集めるのが困難
ユーザー数が限定的で、ログデータも少ない
ユーザーによって閲覧可能な文書が異なる
これらの特徴から、一般的な評価手法である(a)専門家による情報ニーズと関連性判断に基づくテストコレクション、(b)クリックログに基づくテストコレクション、(c)ユーザーサーベイ、(d)A/Bテストには以下のような課題がある:
(a) 専門家による関連性判断は高コストで、最新の情報を反映できない
(b) クリックログデータが少なく、複数ユーザーが同じクエリを行うことが少ない
(c) ユーザーの順位付け好みを正確に捉えられない
(d) 同一組織内のユーザーに異なる結果を提示することが商業的に受け入れられない
したがって、ライブの法的検索システムにおける順位付け変更の評価には、これらの一般的手法は適切ではない。今後は、コスト評価モデルなどの代替的な評価手法に注目していく必要がある。
Stats
法的専門家は1週間に約15時間、判例法の検索に費やしている。