Core Concepts
本論文では、DNNの決定プロセスを確率的に説明できる新しいCAM手法「CAPE」を提案する。CAMの限界を克服し、各画像領域の絶対的な寄与度を可視化できる。
Abstract
本論文では、深層ニューラルネットワーク(DNN)の解釈性を高める新しい手法「CAPE」を提案している。
DNNは高性能だが、その複雑な構造から「ブラックボックス」と呼ばれ、決定プロセスの透明性が低い問題がある。この問題に対し、クラス活性化マップ(CAM)などの手法が提案されているが、相対的な注意度しか示せず、各領域の絶対的な寄与度を示せないという限界がある。
そこで本論文では、CAMを確率的アンサンブルとして再定式化したCAPEを提案する。CAPEは、各画像領域の確率的な寄与度を直接的に表現できるため、DNNの決定プロセスをより詳細に分析できる。
具体的には、CAPEは以下の特徴を持つ:
各画像領域の確率的な寄与度を表現し、DNNの決定プロセスを解釈可能にする
追加パラメータを必要とせず、効率的な計算が可能
従来のCAMよりも、クラス間の差異を明確に捉えられる
さらに、CAPEの変形版であるμ-CAPEを提案し、クラス共通の領域も考慮できるようにした。
提案手法をCUB、ImageNet、CMML医療画像データセットで評価した結果、従来手法と比べて優れた解釈性を示した。特に、CAPE/μ-CAPEは、DNNの決定プロセスを詳細に分析できる新しい解釈手法として期待できる。
Stats
各画像領域の寄与度は、DNNの最終出力確率と一致する。
各画像領域の寄与度は、0~100%の確率値で表現される。
2つのクラスの寄与度の差は、最終出力確率の差と一致する。
Quotes
"DNNは高性能だが、その複雑な構造から「ブラックボックス」と呼ばれ、決定プロセスの透明性が低い問題がある。"
"CAPEは、各画像領域の確率的な寄与度を直接的に表現できるため、DNNの決定プロセスをより詳細に分析できる。"
"CAPEの変形版であるμ-CAPEを提案し、クラス共通の領域も考慮できるようにした。"