Core Concepts
本論文は、JPEG PCCコーデックに基づいた品質スケーラブル点群幾何学コーディングスキーム「Scalable Quality Hyperprior (SQH)」を提案する。SQHは、Quality-conditioned Latents Probability Estimator (QuLPE)モデルを使用して、低品質ベースレイヤーから高品質バージョンの点群を効率的にデコードできる。実験結果は、SQHが非スケーラブルソリューションと比べて限定的または全くパフォーマンス低下を伴わずに品質スケーラビリティを提供できることを示している。
Abstract
本論文は、点群(PC)コーディングにおける品質スケーラビリティの課題に取り組んでいる。従来のPC圧縮ソリューションは、異なる品質レベルのためにそれぞれ独立したモデルを必要としていた。
提案するSQHスキームは、JPEG PCCコーデックに基づいている。SQHは、低品質ベースレイヤーから高品質バージョンのPCを効率的にデコードできるようにする。これは、Quality-conditioned Latents Probability Estimator (QuLPE)モデルを使用して実現される。
QuLPEモデルは、ベースレイヤーの潜在変数表現を利用して、高品質レイヤーの潜在変数の確率分布を推定する。これにより、高品質レイヤーの潜在変数をより効率的にエントロピーコーディングできる。
実験結果は、SQHが非スケーラブルソリューションと比べて限定的または全くパフォーマンス低下を伴わずに品質スケーラビリティを提供できることを示している。場合によっては、SQHは非スケーラブルベースラインよりも若干のパフォーマンス向上を達成できる。
SQHは潜在変数領域で動作するため、空間領域でのスケーラブルコーディングと比べて、いくつかの利点がある。まず、残差が非常にスパースであるという問題が発生しない。次に、前のレイヤーを完全にデコードする必要がなく、デコーディング複雑度/時間が大幅に低減される。最後に、SQHは他の自己符号化器ベースのコーデックにも適用可能である。
Stats
JPEG PCCコーデックを使用して生成された異なる品質レベルの潜在変数表現の平均コサイン類似度は非常に高い。