Core Concepts
本研究では、計算流体力学(CFD)シミュレーションを活用した船体形状の最適化手法と、深層学習を用いた高速な近似モデルを提案している。これにより、従来の最適化手法と比べて大幅な計算時間の短縮を実現している。
Abstract
本研究では、小型無人水中車(UUV)の船体形状最適化に取り組んでいる。UUVの設計において、船体形状は抵抗力に大きな影響を及ぼすため、最適な形状を見つけることが重要である。
まず、様々な最適化手法(モンテカルロ法、遺伝的アルゴリズム、ネルダーミード法、ベイズ最適化など)をCFDシミュレーションと組み合わせて評価した。その結果、ベイズ最適化のLower Confidence Bound (BO-LCB)アルゴリズムが最も効率的で安定した収束性を示すことがわかった。
次に、深層学習を用いた近似モデル(サロゲートモデル)を構築した。3,021種類のUUV船体形状をCFDで評価し、その結果を学習データとして使用した。この近似モデルは、テストデータに対して平均絶対パーセント誤差1.85%と高い精度を達成した。
最後に、この近似モデルを最適化ループに組み込むことで、CFDシミュレーションを用いる場合と比べて2桁の高速化を実現した。近似モデルを使うことで、ほぼ同等の最適解を短時間で得ることができた。
本研究は、UUV設計の最適化に対してベイズ最適化とディープラーニングを初めて適用した先駆的な取り組みであり、高速で効率的な最適化手法を提案している。
Stats
CFDシミュレーションに要する時間は10-20分程度であるのに対し、提案の近似モデルは0.002秒程度で評価できる。これにより、2桁の高速化を実現している。