Core Concepts
RIS搭載MISO下りリンクシステムにおいて、デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングの両方の最適化手法を提案し、レーシアンフェージング下での容量と遮断率の上限を導出した。
Abstract
本論文では、RIS搭載MISO下りリンクシステムの容量最大化問題を検討している。特に、直接リンクとRIS支援間接リンクがレーシアンフェージングに従う場合を考慮している。
まず、RIS位相シフトを最適化することで、容量最大化問題がL1ノルム最大化問題に帰着されることを示した。その上で、デジタルビームフォーミング(FD)とアナログビームフォーミング(FA)の2つの送信機アーキテクチャに対して、それぞれ最適なビームフォーミング手法を提案した。
FDアーキテクチャに対しては、複素L1-PCAベースのアルゴリズムを提案し、既存のセミデファイン緩和ベースの手法に比べて大幅に低計算量であることを示した。一方、FAアーキテクチャに対しては、閉形式の最適ビームフォーミングアルゴリズムを提案した。
さらに、両アーキテクチャに対して、容量の上限を導出した。特に、直接リンクがない場合かつ間接リンクのLoS成分が強い場合、この上限が達成可能であることを示した。
また、直接リンクがない場合の遮断率の下限を、上限SNRの累積分布関数の逆ラプラス変換を用いて導出した。この下限は、間接リンクのチャネル行列がランク1の場合に厳密となることを示した。
Stats
送信アンテナ数M = 4
RIS素子数N = 64
経路損失比μ = 5 dB
信号対雑音比γ = 1