Core Concepts
セル・フリー型マッシブMIMOネットワークでは、隣接クラスターからの未知の干渉が速度適応を困難にし、アウトレイトを引き起こす可能性がある。本論文では、上りリンクにおける未知干渉の分布をモデル化し、目標アウトレート確率を保証する速度適応手法を提案する。
Abstract
本論文では、セル・フリー型マッシブMIMOネットワークにおける上りリンクの未知干渉のモデル化と速度適応手法について検討している。
まず、ネットワークモデルとして、L個のアクセスポイント(AP)とK個の単一アンテナユーザ端末(UE)から構成されるセル・フリー型マッシブMIMOネットワークを考える。UEは、所属するサービングクラスターの既知UEと未知UEに分類される。既知UEの チャネル推定は、サービングクラスターのAPで行われるが、未知UEの統計情報は利用できない。
次に、サービングクラスターのAPで観測された未知干渉の統計情報を利用して、未知干渉の総合的な分布をモデル化する。具体的には、各APの未知干渉をInverse-Gamma分布でモデル化し、その特性関数を用いて総合的な未知干渉の累積分布関数を導出する。
最後に、導出した未知干渉の分布を用いて、目標アウトレート確率を満たす上りリンクの速度適応手法を提案する。シミュレーション結果より、提案手法が未知干渉の変動に対して頑健であり、目標アウトレート確率を保証できることを示している。
Stats
未知干渉の平均μlと分散vlを各APで推定する必要がある。
未知干渉の分布パラメータαlとβlは、μlとvlから(18)式で計算できる。