Core Concepts
偏波可変アンテナを活用することで、従来のMIMOシステムよりも高いチャネル容量を達成できる。また、偏波可変アンテナ選択(PR-HS-MIMO)を組み合わせることで、さらなる性能向上が期待できる。
Abstract
本論文では、偏波可変MIMO (PR-MIMO)システムを提案している。PR-MIMOシステムでは、送信機と受信機の各アンテナ素子の偏波方向を動的に変更できる。
まず、一方の端末の最適な偏波ベクトルを解析的に導出し、両端末の最適な偏波ベクトルを反復的に求める手法を提案した。これにより、従来のMIMOシステムよりも高いチャネル容量を達成できる。
次に、偏波可変アンテナ選択(PR-HS-MIMO)を提案した。PR-HS-MIMOでは、送信機側で一部のアンテナ素子を選択的に使用し、偏波可変機能を活用することで、さらなるチャネル容量の向上が期待できる。具体的には、素子単位の偏波可変方式と全体の偏波可変方式の2つのスキームを提案した。
シミュレーション結果より、提案手法は従来のMIMOシステムに比べて3-5 dBのSNR利得を達成でき、さらにPR-HS-MIMOではチャネル容量の大幅な改善が確認された。また、偏波可変アンテナの導入によりチャネル利得の統計特性も大きく改善されることが示された。
Stats
チャネル容量の上限は以下のように表される:
C ≤ RHeff log2(1 + (1/RHeff) * (ϵ/σn2) * Σσl2)
ここで、RHeff はHeffの階数、σlはHeffの特異値、σn2はノイズ電力、ϵは水分配定数である。