Core Concepts
辞書ベースのモデル縮小を利用して、少数の線形測定から状態を推定する手法を提案する。
Abstract
本論文では、状態推定の問題を扱う。状態uは未知のパラメータξに依存する方程式の解として表される。状態uは測定値ℓ1(u),...,ℓm(u)と、モデル次元縮小(MOR)から得られる事前知識を用いて推定される。
まず、線形空間Vによる状態の近似に基づくPBDW法を説明する。この手法は、Vとの整合性が良ければ安定性が得られるが、Mを1つの線形空間で良く近似できない場合は性能が低下する。
そこで、複数の低次元空間Vkから成るライブラリを用いる手法を提案する。Vkの選択は、Mへの近似誤差を表す代替関数Sを最小化することで行う。Sが真の誤差を良く近似できれば、選択されたVkに基づく推定が最適に近づくことが示される。
さらに、パラメータ依存の偏微分方程式の場合、Sの効率的な近似SΘを提案する。これにより、オフラインでの前処理と、オンラインでの高速な計算を両立できる。
最後に、熱伝導問題と移流拡散問題の数値例を示す。提案手法は、少数の測定値から状態を良好に推定できることを確認した。
Stats
状態u(ξ)は、未知パラメータξに依存する方程式F(u(ξ),ξ) = 0の解として表される。
状態推定の目的は、線形測定値ℓ1(u),...,ℓm(u)と事前知識を用いて、状態uを近似することである。