Core Concepts
Pseudomonas sp. strain JS3066は1-ナフチルアミンを唯一の炭素・窒素源として利用できる細菌株であり、その分解経路と初発反応を触媒する酵素NpaA1の構造と機能が明らかになった。
Abstract
Pseudomonas sp. strain JS3066は、1-ナフチルアミンを唯一の炭素・窒素源として利用できる細菌株である。遺伝子解析と酵素学的解析から、1-ナフチルアミンの初発反応はグルタミン化であり、NpaA1酵素が触媒することが明らかになった。NpaA1は、anilineやその他の多環芳香族アミンも基質とすることができる広い基質特異性を示す。構造解析の結果、NpaA1の大きな疎水性ポケットがこの広い基質特異性の要因であることが明らかになった。さらに、NpaA1によるグルタミン化反応の後、NpaA3A4A5二酸化酵素系によって1,2-ジヒドロキシナフタレンまで酸化される。その後の分解経路は、ナフタレン分解経路と同様に進行する。本研究の成果は、多環芳香族アミンの分解機構の理解を深め、汚染サイトの生物remediationにも役立つと考えられる。
Stats
1-ナフチルアミンの消費量(0.16 mmol)とγ-グルタミル化1-ナフチルアミンの生成量(0.157 mmol)がほぼ等しかった。
NpaA1の最適pH は8.0、最適温度は50°Cであった。
Quotes
NpaA1は、anilineやその他の多環芳香族アミンも基質とすることができる広い基質特異性を示す。
NpaA1の大きな疎水性ポケットがこの広い基質特異性の要因である。