Core Concepts
アミロイドβ凝集体はLPSに比べてTLR4シグナル伝達を効率的に引き起こすことができない。その理由は、Myddosomeの形成が遅延し、より大きなサイズのMyddosomeが形成されるためである。
Abstract
本研究では、光シート顕微鏡と局所的な刺激物質の投与を組み合わせたldSPIM法を用いて、マクロファージにおけるTLR4シグナル伝達とMyddosomeの形成過程を解析した。
LPSとアミロイドβ凝集体の両方がTLR4を活性化し、Myddosomeを形成することが示された。しかし、以下の違いが観察された:
Myddosomeの初期形成時間: LPSの場合は80秒、アミロイドβの場合は372秒と大幅に遅延する。
Myddosomeの寿命: LPSの場合は平均170秒、アミロイドβの場合は220秒と長い。
Myddosomeのサイズ: アミロイドβ刺激の場合、LPSに比べて大きなMyddosomeが形成される。特に初期には100nm以下の小さな球状のMyddosomeが多く形成されるが、時間経過とともにその割合が減少する。
これらの結果から、アミロイドβ凝集体はTLR4に多価に結合するため、より大きなMyddosomeを形成するが、その形成が遅延し、解離も遅いことが示された。これがアミロイドβ凝集体によるTLR4シグナル伝達の非効率性の原因と考えられる。
Stats
LPSによるMyddosomeの初期形成時間は80秒である。
アミロイドβ凝集体によるMyddosomeの初期形成時間は372秒である。
LPSによるMyddosomeの平均寿命は170秒である。
アミロイドβ凝集体によるMyddosomeの平均寿命は220秒である。
Quotes
LPSによって引き起こされるMyddosomeは、アミロイドβ凝集体によるものに比べて、より迅速に形成され、短寿命である。
アミロイドβ凝集体によって形成されるMyddosomeは、LPSによるものに比べて、より大きなサイズになる。