Core Concepts
ミトコンドリアの呼吸系複合体は生体内の高解像度クライオ電子顕微鏡法により、様々な高次組織構造を形成し、その動的過程が明らかになった。
Abstract
本研究では、ブタのミトコンドリアを生体内の状態で直接観察することで、呼吸系スーパーコンプレックスの高解像度構造を明らかにした。
4つの主要なスーパーコンプレックス組織(I1III2IV1、I1III2IV2、I2III2IV2、I2III4IV2)を同定した。これらは膜上でより高次の配列を形成すると考えられる。
スーパーコンプレックスは主に「タンパク質-脂質-タンパク質」の相互作用によって形成され、周囲の膜の幾何学的構造に大きな影響を与えている。
反応中間体の構造も捉えられ、複合体Iのユビキノン/ユビキノール交換機構や複合体IIIのQ-サイクルの動的過程が明らかになった。
異なる条件下のミトコンドリアから得られたスーパーコンプレックスの比較から、複合体Iと複合体IIIの構造変化が環境変化に応答している可能性が示唆された。
生体内の膜環境を保持した手法により、ミトコンドリアの呼吸系スーパーコンプレックスを原子レベルから細胞内構造まで、高解像度で網羅的に解析できた。
Stats
ミトコンドリアの呼吸系スーパーコンプレックスは主に「タンパク質-脂質-タンパク質」の相互作用によって形成される。
スーパーコンプレックスの組織構造は4つの主要なタイプが存在し(I1III2IV1、I1III2IV2、I2III2IV2、I2III4IV2)、膜上でより高次の配列を形成すると考えられる。
Quotes
ミトコンドリアの呼吸系複合体の生体内での動的な構造変化を捉えることができた。
生体内の膜環境を保持した手法により、ミトコンドリアの呼吸系スーパーコンプレックスを原子レベルから細胞内構造まで、高解像度で網羅的に解析できた。