Core Concepts
食餌制限に対して、女性マウスの新皮質機能とエネルギー使用は男性マウスに比べて大きな影響を受けない。
Abstract
本研究では、食餌制限が成体雌雄マウスの一次視覚野(V1)の機能とエネルギー使用に及ぼす影響を調べた。
分子分析とRNA sequencingの結果、食餌制限は男性マウスでAMPK、mTOR、PPARαなどのエネルギー調節経路を有意に変化させたが、女性マウスでは変化がみられなかった。
さらに、in vivo ATP イメージングと2光子カルシウムイメージングの実験から、食餌制限により男性マウスではV1のATP使用量と視覚コーディングの精度(オリエンテーション選択性)が有意に低下したのに対し、女性マウスではほとんど影響がみられなかった。
以上の結果から、食餌制限に対して女性マウスの新皮質機能とエネルギー使用は男性マウスに比べて大きな影響を受けないことが示された。新皮質は、代謝ストレスに対する性別特異的なエネルギー節約適応に寄与していると考えられる。
Stats
食餌制限により、雄マウスのV1におけるAMPK Thr172のリン酸化が2.9倍増加したが、雌マウスでは1.4倍の増加にとどまった。
食餌制限により、雄マウスのV1におけるPPARαの活性が有意に増加したが、雌マウスでは変化がなかった。
食餌制限により、雄マウスのV1のATP使用量が24%減少したが、雌マウスでは12%の減少にとどまり有意ではなかった。
食餌制限により、雄マウスのV1のオリエンテーション選択性が27%低下したが、雌マウスでは13%の低下にとどまり有意ではなかった。
Quotes
"食餌制限に対して、女性マウスの新皮質機能とエネルギー使用は男性マウスに比べて大きな影響を受けない。"
"新皮質は、代謝ストレスに対する性別特異的なエネルギー節約適応に寄与している。"