Core Concepts
ミラー遺伝子は、蝶の翅の遠位後部領域(vannus)の同一性を決定する重要な役割を果たしている。
Abstract
この研究では、蝶の翅の前後軸(AP軸)に沿った領域分化の分子的基盤を明らかにしている。
主な内容は以下の通り:
ミラー遺伝子は、ジュノニア・コエニアの翅の2A静脈の後方領域、すなわち vannus 領域の同定に必要である。
ミラーのモザイク欠損変異体では、vannus 領域が前方の翅領域の特徴を示すようになる。翅の形態、鱗粉の形態、色彩パターンなどが変化する。
これにより、翅の AP軸に沿った複数の領域が、選択遺伝子によって個別に分化・進化できることが示された。
さらに、ショウジョウバエのアルラ(alula)がvannus の退化した形態である可能性が示唆された。これは、ショウジョウバエの翅葉が本来の昆虫翅の一部(remigium)にすぎないことを示唆している。
Stats
ミラー遺伝子のモザイク欠損変異体では、2A静脈の断続や分岐、3A静脈の欠失などの静脈異常が観察された。
Quotes
「ミラー遺伝子は、蝶の翅の遠位後部領域(vannus)の同一性を決定する重要な役割を果たしている」
「ショウジョウバエの翅葉は本来の昆虫翅の一部(remigium)にすぎない可能性がある」