Core Concepts
BRSK1/2キナーゼの触媒活性は、保存された複数のシステイン残基の可逆的な酸化還元修飾によって微細に調整されている。特に、活性化ループのシステイン残基とBRSK特異的なCPEモチーフのシステイン残基の間の二硫化結合形成が、BRSK活性の動的な制御に重要な役割を果たしている。
Abstract
本研究では、ユーカリオットのタンパク質キナーゼシグナリングが、セリン/スレオニン残基のリン酸化だけでなく、システイン残基の酸化還元修飾によっても調節されることを明らかにした。特に、AMPK関連キナーゼ(ARK)ファミリーに属するBRSK1/2キナーゼに着目し、その触媒活性が保存された複数のシステイン残基の可逆的な酸化還元修飾によって微細に調整されていることを示した。
具体的には、BRSK1/2の活性化ループのシステイン残基(T-loop+2 Cys)と、BRSK特異的なCPEモチーフのシステイン残基の間で二硫化結合が形成されることを明らかにした。この二硫化結合形成は、BRSK活性の動的な制御に重要な役割を果たしている。さらに、HRDモチーフ近傍のシステイン残基の変異も、BRSK活性に大きな影響を及ぼすことを示した。
これらの知見は、BRSK1/2を含むARKファミリーキナーゼの酸化還元依存的な調節機構の理解を深めるとともに、広くタンパク質キナーゼ活性の動的制御における、システイン残基の重要性を示唆するものである。
Stats
BRSK1/2の触媒活性は、還元剤DTTの添加によって大幅に増強される。
一方、過酸化水素(H2O2)の添加によって、BRSK1/2の触媒活性は著しく阻害される。
この阻害は可逆的であり、GSHの添加によって活性は回復する。
BRSK1/2の活性化ループのシステイン残基(T-loop+2 Cys)や、CPEモチーフのシステイン残基の変異は、BRSK活性の調節に重要な役割を果たす。
HRDモチーフ近傍のシステイン残基の変異も、BRSK活性に大きな影響を及ぼす。
Quotes
"BRSK1/2の触媒活性は、保存された複数のシステイン残基の可逆的な酸化還元修飾によって微細に調整されている。"
"特に、活性化ループのシステイン残基とBRSK特異的なCPEモチーフのシステイン残基の間の二硫化結合形成が、BRSK活性の動的な制御に重要な役割を果たしている。"
"HRDモチーフ近傍のシステイン残基の変異も、BRSK活性に大きな影響を及ぼす。"