Core Concepts
コネキシン26の構造変化がCO2によるチャンネル調節のメカニズムを示す
Abstract
本研究では、コネキシン26(Cx26)の野生型および変異体(K125E)の構造を明らかにし、CO2によるチャンネル調節のメカニズムを解明した。
まず、Cx26の野生型および変異体(K125E)の精製と電子顕微鏡解析を行った。その結果、以下のことが明らかになった:
野生型Cx26では、TM2の位置と N末端ヘリックスの位置が CO2濃度に依存して変化し、チャンネルの開閉を調節している。
K125E変異体では、TM2とN末端ヘリックスの位置が野生型の閉鎖状態に固定されており、チャンネルが恒常的に閉じた状態になる。
K125の負電荷化が、TM2とN末端ヘリックスの位置変化を引き起こし、チャンネルの閉鎖を誘導する。
サイトプラズム側ループ領域の構造変化も、チャンネルの開閉に関与している。
以上の結果から、Cx26のチャンネル調節には、TM2、N末端ヘリックス、サイトプラズム側ループ領域の協調的な構造変化が重要であることが示された。CO2によるカルバミル化がこれらの構造変化を引き起こし、チャンネルの開閉を調節していると考えられる。
Stats
K125E変異体のギャップジャンクション形成は野生型と同様だが、CO2濃度35 mmHgおよび55 mmHgでは完全に閉鎖している。
一方、野生型Cx26のギャップジャンクションは、CO2濃度35 mmHgでは開いた状態を保っている。
Quotes
"Connexins allow intercellular communication by forming gap junction channels (GJCs) between juxtaposed cells."
"Recent reports based on structural data also suggest that lipids may be involved in regulation."
"Structures of the connexins either have the N-terminal helices tucked back against the wall of the channel, in a raised position, in an intermediate position or not well-defined in the density."