Core Concepts
TRPV4 は温度依存性発汗に関与し、ANO1 との相互作用が発汗に重要な役割を果たしている。
Abstract
本研究では、マウスの足蹠の汗腺における TRPV4、ANO1、AQP5 の発現と機能的な相互作用を明らかにした。TRPV4 は汗腺の分泌細胞に発現しており、TRPV4 欠損マウスでは温度依存性の刺激誘発性発汗が見られなかった。一方、TRPV4 阻害薬のメンソールは野生型およびTRPM8 欠損マウスの発汗を抑制した。さらに、ANO1 阻害薬は基礎発汗を著しく抑制した。これらの結果から、TRPV4 と ANO1 の相互作用が温度依存性の発汗に重要な役割を果たしていることが示された。また、AIGA 患者の正常発汗皮膚と無汗皮膚を比較したところ、TRPV4 発現が無汗皮膚で著しく低下していた。以上より、TRPV4 自体やTRPV4-ANO1 複合体が発汗調節の新たな治療標的となる可能性が示された。
Stats
25°Cでは野生型とTRPV4欠損マウスの刺激誘発性発汗に差はなかったが、35°Cでは野生型マウスの発汗が有意に増加したのに対し、TRPV4欠損マウスでは増加しなかった。
基礎発汗(アセチルコリン非刺激)は25°Cと35°Cで野生型マウスで温度依存的に増加したが、TRPV4欠損マウスでは増加しなかった。
メンソールは野生型およびTRPM8欠損マウスの刺激誘発性発汗を有意に抑制した。
ANO1阻害薬Ani9は25°Cと35°Cの基礎発汗をほぼ完全に抑制した。
Quotes
"TRPV4 は温度依存性発汗に関与し、ANO1 との相互作用が発汗に重要な役割を果たしている。"
"TRPV4 自体やTRPV4-ANO1 複合体が発汗調節の新たな治療標的となる可能性が示された。"