層2の内側嗅内皮質におけるスターレット細胞とパルブアルブミン陽性介在ニューロンの間の神経シナプス相互作用は、グリッド細胞クラスターのスケールで組織化されている

Core Concepts

内側嗅内皮質層2におけるスターレット細胞とパルブアルブミン陽性介在ニューロンの間の神経シナプス相互作用は、グリッド細胞クラスターのスケールで組織化されている。

Abstract

本研究では、遺伝学的に定義された神経集団間の機能的な相互作用を評価する新しい手法を導入した。その結果、内側嗅内皮質層2におけるスターレット細胞(SC)とパルブアルブミン陽性介在ニューロン(PV+IN)の間の直接的な機能的相互作用は、主に約250μm以内に局在していることが明らかになった。SCからPV+INへの機能的接続の確率は変動が大きく、明確な境界によって区画されていることが示唆された。一方で、間接的な相互作用は、グリッド細胞モジュールのスケールで機能している可能性がある。これらの結果は、直接相互作用するSCとPV+INが、報告されているグリッド細胞クラスターに対応する離散的な領域を占めている一方で、間接的な相互作用がグリッド細胞モジュールのスケールで機能していることを示唆している。

Stats

スターレット細胞の軸索は層1、層2、層3の浅層、および層5bに分布している。
パルブアルブミン陽性介在ニューロンの軸索は主に層2内に限局しており、その最大の軸索伸展は600μm以上に及ぶ。
層2のスターレット細胞とパルブアルブミン陽性介在ニューロンの間の直接的な機能的相互作用は、主に細胞体間距離が250μm以内に限定される。
層2のスターレット細胞とパルブアルブミン陽性介在ニューロンの間の間接的な相互作用は、グリッド細胞モジュールのスケールで機能する可能性がある。

Quotes

"直接的な化学的および電気的シナプス接続は、100μm未満の距離の間のパルブアルブミン陽性介在ニューロン間でのみ検出された。"
"多くの近接した細胞は共通の入力を受けていないことから、それらが異なるネットワークの一部であるか、同一ネットワーク内の異なる領域に属していることが示唆される。"
"スターレット細胞と錐体細胞は、パルブアルブミン陽性介在ニューロンから異なる集団からの抑制性入力を受けていることが示唆される。"

Key Insights Distilled From

Synaptic interactions between stellate cells and parvalbumin interneurons in layer 2 of the medial entorhinal cortex are organized at the scale of grid cell clusters

by Huang,L.-W.,... at www.biorxiv.org 09-18-2023

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.09.18.558206v3

Deeper Inquiries

スターレット細胞とパルブアルブミン陽性介在ニューロンの間の機能的相互作用の組織化は、グリッド細胞の発火特性の発生メカニズムにどのように関与しているのだろうか。

この研究から、スターレット細胞とパルブアルブミン陽性介在ニューロン（PV+INs）の間の機能的相互作用が局所的に組織化されており、特定の空間スケールで操作されていることが示唆されています。具体的には、スターレット細胞からPV+INsへの共通の興奮性シナプス入力が特定の空間スケールで見られ、近くのPV+INsが同じスターレット細胞からの入力を共有していることが示されています。このような組織化された相互作用は、グリッド細胞クラスターのスケールで機能し、局所的なモジュールが定義されている可能性があります。したがって、スターレット細胞とPV+INsの間の相互作用は、グリッド細胞の発火特性の発生メカニズムに重要な役割を果たしていると考えられます。特定の空間スケールでの組織化された相互作用により、グリッド細胞の発火特性が調整され、空間的な表現が形成されている可能性があります。