Core Concepts
SPNS1は中枢神経系の髄鞘形成に必須であり、その欠損は白質異形成を引き起こす。
Abstract
本研究では、SPNS1を中枢神経系特異的に欠損させたマウスを作製し、その表現型を解析した。SPNS1欠損マウスは生後5週以内に死亡し、成長遅延や痙攣などの神経症状を示した。組織学的解析では、SPNS1欠損マウスの脳において髄鞘形成の障害と、オリゴデンドロサイトの減少が認められた。リピドーム解析では、SPNS1欠損マウスの脳内でリゾリン脂質やスフィンゴシンの蓄積が観察された一方で、ミエリン脂質の減少が認められた。これらの結果から、SPNS1は中枢神経系のミエリン形成に必須であり、その欠損は白質異形成を引き起こすことが示された。SPNS1変異は先天性の白質異形成の病因遺伝子の1つである可能性が示唆された。
Stats
SPNS1欠損マウスの脳では、リゾホスファチジルコリン(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、リゾホスファチジルイノシトール(LPI)などのリゾリン脂質が蓄積していた。
SPNS1欠損マウスの脳では、スフィンゴシンの蓄積が認められたが、ミエリン脂質であるセラミド、スフィンゴミエリン、スルファチドの減少が観察された。
SPNS1欠損マウスの脳の白質領域では、ガングリオシド(GM1)の著しい減少が認められた。
Quotes
"SPNS1は中枢神経系のミエリン形成に必須であり、その欠損は白質異形成を引き起こす。"
"SPNS1変異は先天性の白質異形成の病因遺伝子の1つである可能性が示唆された。"