Core Concepts
頭頸部がんに浸潤する感覚神経が既存の神経回路に接続し、それが脳活動の変化と行動の変化をもたらす。
Abstract
本研究では、頭頸部がんに浸潤する神経と脳の関係を明らかにした。
頭頸部がんに浸潤する神経は、三叉神経節を介して脳の特定の領域(脊髄三叉神経核、傍脳室核、中心核)と接続している。
がん浸潤神経は遺伝子発現や機能が変化しており、カプサイシンに対する反応性が亢進している。
がん浸潤神経と接続する脳領域では神経活動が亢進しており、がん担がマウスの行動変化(巣作り低下、クッキー摂取遅延、自発運動低下)と関連している。
がん浸潤神経を除去すると、脳活動の亢進と行動変化が軽減される。
がんによる疼痛を緩和しても、自発運動の低下は完全には改善されず、疼痛以外の要因が関与していることが示唆された。
以上より、がんに浸潤する神経が脳機能を変化させ、がん患者の精神的健康に影響を及ぼすことが明らかになった。
Stats
がん浸潤神経のタウ発現は、がん移植4日目から増加した。
がん浸潤神経のドブルコーチン発現も経時的に増加した。
がん浸潤神経はカプサイシンに対する反応性が亢進していた。
がん担がマウスの脳では、cFosとΔFosBの発現が増加していた。
がん浸潤神経を除去したマウスでは、脳のcFosとΔFosB発現の増加が抑制された。
Quotes
"頭頸部がんに浸潤する感覚神経が既存の神経回路に接続し、それが脳活動の変化と行動の変化をもたらす。"
"がんに浸潤する神経が脳機能を変化させ、がん患者の精神的健康に影響を及ぼすことが明らかになった。"