Core Concepts
大脳皮質の神経細胞は領域特異的な遺伝子発現パターンを持ち、それらは領域間の機能的・構造的な違いを反映している。また、この領域特異的な分子プロファイルは発達過程で入力依存的に形成される。
Abstract
本研究では、大脳皮質全体にわたる10.3百万個の神経細胞について、104の細胞タイプマーカー遺伝子の発現を高スループットのin situ シーケンシング法(BARseq)により解析した。
単一細胞レベルの遺伝子発現パターンに基づいて神経細胞をクラスタリングした結果、既知の細胞タイプと一致する転写型が同定された。
これらの転写型の組成は大脳皮質領域の同定に高い予測精度を示した。
同様の転写型組成を持つ領域(コーテックスモジュール)は、強い機能的・構造的な結合を示す領域と一致した。
新生児期の両眼摘出により、視覚野の転写型組成が隣接領域へシフトすることが明らかになった。これは、感覚入力が領域特異的な分子プロファイルの形成に重要であることを示唆している。
BARseqは大規模な分子アーキテクチャの解明と発達メカニズムの理解に有用な手法である。
Stats
マウス大脳皮質の10.3百万個の神経細胞について、104の細胞タイプマーカー遺伝子の発現を解析した。
両眼摘出により、視覚野の転写型組成が隣接領域へシフトした。
Quotes
「大脳皮質の神経細胞は領域特異的な遺伝子発現パターンを持ち、それらは領域間の機能的・構造的な違いを反映している」
「感覚入力が領域特異的な分子プロファイルの形成に重要である」