Core Concepts
中期児童期の子供たちは、即時フィードバックと遅延フィードバックの両方に対して価値ベースの学習を示し、その学習は時間とともに最適化されていく。この学習プロセスには、発達の過程にある海馬と線条体の異なる寄与が見られる。
Abstract
本研究は、6-7歳の子供たちを2年間にわたって縦断的に調査し、価値ベースの学習の発達と、それに関連する海馬と線条体の構造的変化を明らかにしている。
子供たちの学習行動は、価値ベースの学習モデルによって最もよく説明された。具体的には、即時フィードバックと遅延フィードバックの間で逆温度パラメータが異なり、遅延フィードバックに対する反応時間が速かった。この逆温度パラメータの差は、遅延フィードバックに対する反応時間の差と相関していた。
2年間の縦断的変化では、子供たちの学習が最適化されていく傾向が見られた。学習率と逆温度パラメータが増加し、win-stay行動が増加し、lose-shift行動が減少した。
海馬と線条体の体積変化を見ると、海馬の体積増加が線条体よりも大きかった。これは、海馬の発達がより緩やかであることを示唆している。
脳-認知の関連を見ると、線条体の体積は即時学習と遅延学習の両方と関連していたが、海馬の体積は遅延学習とのみ関連していた。一方で、遅延フィードバックによる記憶成績の向上は見られなかった。
以上より、中期児童期においては、海馬と線条体の機能が未分化であり、協調的に価値ベースの学習に寄与していることが示唆された。この知見は、発達段階によって異なる学習支援の必要性を示唆している。
Stats
即時フィードバックと遅延フィードバックの反応時間に有意差があった。
遅延フィードバックに対する反応時間は、即時フィードバックよりも速かった。
海馬の体積増加は線条体よりも大きかった。
Quotes
「子供たちの学習行動は、価値ベースの学習モデルによって最もよく説明された。」
「海馬の体積増加は線条体よりも大きかった。これは、海馬の発達がより緩やかであることを示唆している。」
「線条体の体積は即時学習と遅延学習の両方と関連していたが、海馬の体積は遅延学習とのみ関連していた。」