Core Concepts
病原体暴露後のC. elegansの行動変化は、細菌の再侵入を阻害する2つの神経回路の協調的な変化によって駆動される。
Abstract
本研究では、C. elegansの病原体回避行動の神経基盤を明らかにした。
病原体暴露後、C. elegansは細菌の再侵入を阻害する2つの行動変化を示す:
細菌の芝生からの退出率の上昇
細菌の芝生への再侵入の遅延
圧縮センシングに基づく網羅的な神経系スクリーニングにより、これらの行動変化を制御する神経細胞が同定された:
退出行動は、CEP、HSN、RIA、RID、SIAニューロンによって制御される
再侵入の遅延は、AIY、SIA、AVK、MIニューロンによって制御される
自由行動下での神経活動イメージングにより、病原体暴露によってAIY、AVK、SIAニューロンの活動が抑制されることが示された
AIYとSIAニューロンの活動操作実験により、これらのニューロンが再侵入行動を制御することが確認された
Stats
病原体暴露後、C. elegansの細菌芝生からの退出率は1時間以内に急激に上昇し、10時間後に1時間あたり1回の退出率に達した。
病原体暴露後5時間以降、C. elegansの細菌芝生への再侵入の潜時が著しく増大し、12時間後には平均36.7±3.5分となった。
AIYニューロンの活動は病原体暴露後に持続的に抑制された。
AVKとSIAニューロンの活動も病原体暴露後に長期的に抑制された。
Quotes
"病原体暴露後のC. elegansの行動変化は、細菌の再侵入を阻害する2つの行動変化を示す:1. 細菌の芝生からの退出率の上昇、2. 細菌の芝生への再侵入の遅延"
"圧縮センシングに基づく網羅的な神経系スクリーニングにより、これらの行動変化を制御する神経細胞が同定された:退出行動はCEP、HSN、RIA、RID、SIAニューロンによって、再侵入の遅延はAIY、SIA、AVK、MIニューロンによって制御される"
"AIYとSIAニューロンの活動操作実験により、これらのニューロンが再侵入行動を制御することが確認された"