本研究では、ショウジョウバエの運動ニューロンサブタイプ(低確率放出型Ib型と高確率放出型Is型)が形成するシナプスを用いて、シナプス機能の多様性を決定する要因を調べた。
個々のシナプスにおいては、電位依存性カルシウムチャネルの発現量が高確率放出を予測できた。しかし、Ib型とIs型シナプス間では、同程度のチャネル発現量にもかかわらず、Is型シナプスの方が高い確率放出を示した。
この違いは、Is型シナプスでより密に配置されたチャネルと、シナプス小胞との近接性の増大によって説明できる。さらに、シナプス足場タンパク質Bruchpilotの発現量が低く、α2δ-3サブユニットStraightjacketの発現量も低いことが、Is型シナプスの高確率放出に寄与していると考えられる。
一方、Bruchpilotとチャネルサブユニットの発現量は、個々のシナプスの確率放出と正の相関を示した。また、シナプス伝達の恒常的な増強(ホメオスタシス)時には、両入力シナプスでこれらタンパク質の動的な増加が観察された。
以上より、シナプス機能の多様性は、分子的・組織的な違いが交錯することで生み出されると考えられる。
To Another Language
from source content
biorxiv.org
Key Insights Distilled From
by Medeiros,A. ... at www.biorxiv.org 04-02-2023
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.04.02.535290v3Deeper Inquiries