Core Concepts
大規模言語モデルを使用して、電子健康記録の非構造化テキストデータを処理し、臨床医がトリアージ決定を行う際の支援を行う。
Abstract
本論文では、精神医療における患者紹介のトリアージ支援のために、大規模言語モデル(LLM)を活用する3つの異なるアプローチを提案し、評価している。
精神医療では、多くの患者データが非構造化テキストで記録されているため、LLMを使用して効率的に処理し、トリアージ決定を支援することが重要である。
英国の国民保健サービス(NHS)では、専門精神医療サービスへの新規紹介が月に37万件から47万件あり、臨床医がこれらの紹介を振り分ける(トリアージする)必要がある。
提案するアプローチは、LLMを使ってEHRデータを端から端まで取り込み、適切な専門チームへの紹介を推奨するものである。これにより、紹介待ち時間の短縮と、トリアージ決定の根拠の明確化が期待できる。
3つのアプローチは、LLMの入力長の制限に異なる解決策を提示している。
文書単位のブルートフォース方式
長い入力系列を切り詰めて連結する方式
入力系列を分割してバッチ処理する方式
評価の結果、分割バッチ方式が最も優れた性能を示した。また、パラメータ効率の良いLow-Rank Adaptation(LoRA)を使うことで、リソース効率的な実装が可能となった。
Stats
英国の国民保健サービス(NHS)では、月に37万件から47万件の新規精神医療紹介がある。
紹介患者の96%は地域精神医療チーム(CMHT)で治療を受けている。