Core Concepts
SEPT9 と EPLIN の相互作用が細胞接着と遊走を協調的に調節する。SEPT9 レベルの変化は EPLIN の局在と細胞骨格の組織化を介して、細胞接着斑の形成と大きさを調整する。
Abstract
本研究では、セプチン蛋白質 SEPT9 と F-アクチン結合蛋白質 EPLIN の相互作用が、ヒト線維芽細胞の接着と遊走を調節することを明らかにした。
SEPT9 と EPLIN は細胞質のセプチン繊維や細胞先端部分で共局在する。SEPT9 は EPLIN のLIMドメインと直接結合し、EPLIN の局在を調節する。
SEPT9 の発現レベルが高いと細胞の接着と遊走が促進されるが、SEPT9 欠損により接着と遊走が著しく低下する。一方、EPLIN の過剰発現は SEPT9 欠損細胞の遊走能を部分的に回復させる。
SEPT9 の発現レベルの変化は、EPLIN の局在と細胞骨格の組織化を介して、細胞接着斑の形成と大きさを調整する。SEPT9 が高発現すると大きな接着斑が形成されるが、SEPT9 欠損では接着斑が小さくなる。
SEPT9 と EPLIN の相互作用は、細胞骨格の再構築と接着斑の形成を協調的に調節することで、細胞の接着と遊走を制御していると考えられる。
Stats
細胞接着の開始には、SEPT9 過剰発現で7.5分、SEPT9 欠損で52.5分を要した。
SEPT9 過剰発現で細胞接着斑は4.9μmと増大したが、SEPT9 欠損で2.1μmと減少した。
Quotes
「SEPT9 と EPLIN の相互作用が細胞接着と遊走を協調的に調節する」
「SEPT9 レベルの変化は EPLIN の局在と細胞骨格の組織化を介して、細胞接着斑の形成と大きさを調整する」