Core Concepts
本論文では、入出力データを用いて自己回帰移動平均(ARMA)モデルを当てはめることで、線形時変システムの状態空間モデルを直接的に実現する新しい手法を提案する。この情報状態ベースのアプローチにより、過去の入出力履歴のみを用いて出力を正確にモデル化でき、また最適フィードバック制御の設計においても最適性が保証される。
Abstract
本論文では、線形時変システムの同定のための新しい手法として、情報状態ベースのアプローチを提案している。
主な特徴は以下の通り:
情報状態(過去の入出力履歴)を状態ベクトルとして用いることで、ARMA パラメータから直接状態空間モデルを実現できる。時変システムの場合でも、座標変換の必要がない。
有限の過去入出力履歴のみを用いて出力を正確にモデル化できることを示し、観測可能性の概念に基づいて説明する。これにより、過渡応答と定常応答を分離する必要がない。
情報状態を用いた最適フィードバック制御問題を定式化し、その解が元の出力フィードバック問題の最適解と等価であることを示す。
入出力データに観測ノイズが存在する場合でも、ノイズ統計量が既知であれば、ARMAパラメータの不偏推定が可能であることを示す。
これらの特徴により、情報状態ベースのアプローチは、線形時変システムの同定と制御に有効な手法であることが示された。
Stats
xt+1 = Atxt + Bt(ut + ωt)
zt = Ctxt + νt
ωt ~ N(0, Q)
νt ~ N(0, R)