Core Concepts
大規模個人fMRIデータセットを使用した脳エンコーディングにおいて、リッジ回帰の並列化手法を評価し、効率的な実装方法を提案した。
Abstract
本研究では、大規模個人fMRIデータセットを使用した脳エンコーディングにおいて、リッジ回帰の並列化手法を評価した。
まず、Friends TVショーの視聴中に収集された6人の被験者のfMRIデータを使用して、VGG16ネットワークから抽出した視覚特徴を用いて脳エンコーディングを行った。その結果、視覚野を中心に予測精度が高いことが示された。
次に、リッジ回帰の並列化手法を検討した。マルチスレッド並列化では、オープンソースのOpenBLASライブラリよりも、Intel MKLライブラリの方が1.9倍高速であることが分かった。しかし、マルチスレッド並列化の効果は8スレッド以降で頭打ちとなった。
そこで、Daskを使ったマルチCPU並列化手法であるMultiOutputRegressor(MOR)を評価したが、計算の重複が多く非効率的であることが分かった。そこで、BatchMultiOutputRegressor(B-MOR)と呼ぶ新しい手法を提案した。B-MORでは、脳ターゲットをバッチに分割し、各バッチを別のコンピューティングノードで並列処理する。さらに、各バッチ内でマルチスレッド並列化を行う。
評価の結果、B-MORは単一スレッドのスキットラーン実装と比べて最大33倍高速化できることが分かった。大規模fMRIデータを使った脳エンコーディングにおいて、B-MORは効率的な並列化手法として有効であることが示された。
Stats
単一スレッドのスキットラーン実装と比べて、B-MORは最大33倍高速化できる。
MKLライブラリを使ったマルチスレッド並列化は、OpenBLASライブラリと比べて1.9倍高速である。