Core Concepts
本研究では、ハイブリッド ゾノトープベースの到達可能性解析を用いて、自律システムの線形時間論理仕様の効率的な検証手法を提案する。ハイブリッド ゾノトープを活用することで、非凸で分離した集合を効率的に扱うことができ、複雑な幾何学的特徴を持つ環境においても線形時間論理仕様の検証が可能となる。
Abstract
本研究では、自律システムの動的モデルに対して線形時間論理(LTL)仕様の検証を行う手法を提案している。
まず、LTL仕様をポジティブ標準形に変換し、各原子命題に対応する集合をハイブリッド ゾノトープで表現する。次に、論理演算子(否定、AND、OR)や時間演算子(Until、Weak-Until)に対応する集合演算(補集合、交集合、和集合、到達可能集合、ロバスト可制御不変集合)を用いて、LTLの各サブ式に対応するツリー構造(Temporal Logic Tree: TLT)を構築する。
ハイブリッド ゾノトープは、非凸で分離した集合を効率的に表現できるため、従来の多面体や ゾノトープベースの手法では扱えなかった複雑な幾何学的特徴を持つ環境においても、LTL仕様の検証が可能となる。
提案手法を駐車場環境の事例に適用し、ハイブリッド ゾノトープが非凸で分離した集合を効率的に扱えることを示している。また、初期的な計算時間評価の結果から、提案手法の計算効率性も確認できている。
Stats
自律車両の離散時間線形モデルは以下のように表される:
xt+1 = Axt + But
ここで、xtは状態ベクトル、utは入力ベクトルである。