Core Concepts
本研究では、大規模言語モデルとシンタックス依存関係を組み合わせたハイブリッドアプローチを提案し、アスペクト抽出とアスペクト感情分類の性能向上を実現する。
Abstract
本研究は、アスペクト指向型感情分析(ABSA)における2つの主要タスク、アスペクト抽出(ATE)とアスペクト感情分類(ASC)に取り組んでいる。
まず、大規模言語モデル(LLM)を用いたゼロショット学習によるATE/ASCの性能評価を行った。その結果、LLMはアスペクト抽出の精度が低いことが分かった。
そこで、LLMとシンタックス依存関係を組み合わせたハイブリッドアノテーション手法を提案した。この手法では、LLMによる高精度なアノテーションと、シンタックス依存関係による高リコールなアノテーションを融合することで、ドメイン適応性の高いABSAモデルの構築を実現している。
実験の結果、提案手法は既存手法と比較して優れた性能を示した。特に、ドメイン適応性の高さが確認された。また、ハイブリッドアノテーションの際のカットオフ閾値の調整によって、精度とリコールのバランスを取ることができることも示された。
今後の課題としては、マルチリンガル環境への拡張や、エンコーダのみのアーキテクチャの活用などが挙げられる。
Stats
アスペクト抽出の精度は、ゼロショット学習では12.71%から19.83%と低い。
ハイブリッド手法を用いたモデルでは、ラップトップドメインで53.50%、レストランドメインで61.77%のF1スコアを達成した。
Quotes
"LLMsは考慮すべき限界を持っており、ドメイン固有のアスペクト用語の抽出率が低いことが分かった。"
"提案手法は、LLMの高精度なアノテーションとシンタックス依存関係の高リコールなアノテーションを融合することで、ドメイン適応性の高いABSAモデルの構築を実現している。"