Core Concepts
自然言語処理と機械学習アルゴリズムを活用し、作文の自動評価と文法誤り訂正を統合したシステムを提案する。これにより、学習者に即時かつ個別のフィードバックを提供し、作文能力の向上を支援する。
Abstract
本論文は、自動作文評価(AWE)システムと文法誤り訂正(GEC)システムを統合したシステムを提案している。
AWEシステムは、コンピュータープログラムを使って作文の質を評価し、得点を与える。従来のAWEシステムは、全体的な作文の質を評価するものが主流だったが、本システムでは、内容、構成、語彙、文章流暢性、文法などの個別の評価基準に基づいた評価を行う。これにより、学習者にとってより具体的で有用なフィードバックを提供できる。
GECシステムは、文章中の文法的な誤りを自動的に検出し、訂正する。近年のニューラルネットワークモデルを活用したGECシステムは、高い精度を実現している。本システムでは、GECの結果を学習者に提示することで、即時かつ具体的な文法フィードバックを与える。
この統合システムにより、学習者は作文テストの模擬体験ができ、客観的な評価とともに文法の訂正フィードバックを受け取ることができる。教師の負担も軽減され、より質の高い言語教育に集中できるようになる。
今後の展望として、多言語対応、教師側の介入機能の追加、学習者の認知的負荷や満足度などの評価実験の実施などが挙げられる。
Stats
作文の長さ(単語数、文数)は言語能力の指標となる。
文の複雑さ(Yngve深度、Frazier局所非終端数、D-levelスケール)は言語能力を示す。
流暢性(Asano et al. 2017、Ge et al. 2018の指標)は言語運用能力を表す。
正確性は文法誤り訂正の結果から評価できる。