Core Concepts
言語モデルは「感情」という概念を主に感情価として理解しており、意見や態度といった他の側面との区別が不明確である。より正確な分析のためには、感情価、意見、態度といった個別の概念を明確に定義し、それぞれを個別に測定することが重要である。
Abstract
本論文は、言語モデルにおける「感情」分析の意味について検討している。
感情分析は広く用いられる手法であるが、「感情」という概念は感情価、意見、市場動向、良し悪しの一般的な次元など、様々な意味合いを持つ。このため、研究者が「感情」分析を行う際に、言語モデルがどのように「感情」を理解しているかが問題となる。
本研究では、3つの言語モデル(GPT-4 Turbo、Claude-3 Opus、Llama-3 8B)を用いて、感情、感情価、意見(態度)の各分類を行い、その結果を比較した。その結果、言語モデルは「感情」を主に感情価として理解しており、意見や態度との区別が不明確であることが示された。
また、感情価や意見といった個別の概念を直接指定して分類を行うと、「感情」分類よりも精度が向上することが分かった。
このことから、研究者は可能な限り「感情」という曖昧な概念ではなく、感情価、意見、態度といった個別の概念を明確に定義し、それぞれを個別に測定することが重要であると結論付けている。
Stats
言語モデルの感情分類と感情価分類の一致率は高いが、感情分類と意見分類の一致率は低い。