Core Concepts
物理学に基づく深層学習を用いて、薬物動態データから内在的な多コンパートメントモデルを効率的に発見し、モデルの解釈可能性と一般化性を実現する。
Abstract
本研究では、物理学に基づく深層学習(PINN)と記号的回帰(SR)を組み合わせた新しい手法であるPKINNsを提案した。PKINNsは、薬物動態データから内在的な多コンパートメントモデルを効率的に発見し、モデルの微分を正確に予測することができる。
具体的には以下の通り:
PKINNsアーキテクチャは、入力時間tから薬物濃度X(X0, X1, X2)を予測するX-netと、Xから微分量f(f1, f2, f3)を予測するf-netから構成される。
損失関数は、データ誤差、ODE残差、初期条件誤差の重み付き和で定義される。
合成データを用いた実験では、PKINNsが低/中/高ノイズデータに対して頑健に内在的な薬物動態モデルを捉えられることを示した。
発見されたモデルは、PySRとSINDyによる記号的回帰を用いて解釈可能で一般化性の高いものとなった。
外挿予測の精度も良好で、薬物動態モデリングへの応用が期待できる。
本手法は、従来の手動によるモデル導出の労力を大幅に削減し、データ駆動型のモデル発見を可能にする。大規模データの利用と相まって、創薬プロセスの効率化に大きな影響を及ぼすことが期待される。
Stats
薬物吸収速度定数kaは1.14である。
薬物消失クリアランスCLは3.57である。
薬物分布クリアランスQは1.14である。
中心コンパートメントの分布容積V1は0.454である。
末梢コンパートメントの分布容積V2は2.87である。
Quotes
"PKINNsは、薬物動態データから内在的な多コンパートメントモデルを効率的に発見し、モデルの微分を正確に予測することができる。"
"本手法は、従来の手動によるモデル導出の労力を大幅に削減し、データ駆動型のモデル発見を可能にする。"