Core Concepts
ユビキチン結合酵素UBE2D/effは、加齢に伴う蛋白質品質管理を維持し、蛋白質の品質管理を確保する上で重要な役割を果たす。
Abstract
本研究では、ドロソフィラのレチナにおける病原性ハンチントンタンパク質(Htt-polyQ)の凝集を指標として、21種類のドロソフィラE2ユビキチン結合酵素の役割を調べた。その結果、E2酵素によって多様な機能が見られ、中でもUBE2D/effは凝集体の蓄積を抑制する重要な役割を果たすことが明らかになった。
さらに、UBE2D/effのノックダウンは骨格筋においても蛋白質品質管理を損なうことが示された。UBE2D/effのタンパク質レベルは加齢に伴って低下し、若齢時からのUBE2D/effノックダウンは、通常老齢期にのみ観察される不溶性ポリユビキチン化タンパク質の蓄積を引き起こし、寿命を短縮させた。一方、UBE2D/effの哺乳類ホモログであるUBE2D2の発現は、UBE2D/effノックダウンによる蛋白質品質管理の障害を部分的に回復させた。
プロテオーム解析の結果、UBE2D/effノックダウンは加齢に伴う変化と類似した蛋白質変動を引き起こすことが明らかになった。これらの知見から、UBE2D/effは加齢に伴う蛋白質品質管理の維持に重要な役割を果たし、UBE2D/effの機能低下が加齢に伴う蛋白質組成の変化に寄与することが示唆された。
Stats
UBE2D/effタンパク質レベルは加齢に伴って有意に低下する。
UBE2D/effノックダウンにより、可溶性および不溶性のポリユビキチン化タンパク質が蓄積する。
UBE2D/effノックダウンにより、Ref(2)P/p62の可溶性レベルが上昇する。
Quotes
UBE2D/effは加齢に伴う蛋白質品質管理の維持に重要な役割を果たす。
UBE2D/effの機能低下が加齢に伴う蛋白質組成の変化に寄与する可能性がある。