Core Concepts
自然発話のコード切り替え会話においても、単一言語の会話と同様にエントレインメントが見られる。また、テキストベースのコード切り替え会話におけるエントレインメントの特徴の一部が、自然発話のコード切り替え会話にも当てはまる。
Abstract
本研究は、自然発話のコード切り替え会話におけるエントレインメントを調査したものである。主な知見は以下の通り:
語彙的特徴: 会話参加者は、最頻出語、肯定的な言葉、間投詞などの語彙的特徴でエントレインメントを示す。全体的な言語使用においても、会話参加者間でエントレインメントが見られる。
音響・韻律的特徴: 会話参加者は、ピッチ、強度、発話速度などの音響・韻律的特徴でターン単位でエントレインメントを示す。しかし、会話全体でのエントレインメントは限定的である。
コード切り替え特徴: 会話参加者は、コード切り替えの有無、量、方略(挿入型、交替型、その他)でターン単位およびコンバーセーション単位でエントレインメントを示す。特に、交替型コード切り替えでのエントレインメントが顕著である。
性別: 同性の会話参加者の方が、異性の会話参加者よりもエントレインメントが強い傾向がある。
以上の結果から、単一言語の会話におけるエントレインメントの特徴が、自然発話のコード切り替え会話にも当てはまることが示された。また、テキストベースのコード切り替え会話におけるエントレインメントの一部の特徴も、自然発話の会話に当てはまることが明らかになった。これらの知見は、マルチリンガルな対話システムの設計に役立つと考えられる。
Stats
会話参加者Aの平均ピッチは212Hzで、平均発話速度は5.71音節/秒である。
会話参加者Bの平均ピッチは179Hzで、平均発話速度は4.27音節/秒である。
会話参加者Aの平均ピッチは159Hzで、平均発話速度は4.15音節/秒である。
会話参加者Bの平均ピッチは164Hzで、平均発話速度は4.31音節/秒である。
コード切り替え率(CSW ratio)は以下の通り:
会話参加者A: 0.545
会話参加者A: 0.625
会話参加者A: 0.6
会話参加者A: 0.667