Core Concepts
我々は、ポアンカレ上半空間HDをバイナリタイリングに基づく離散メトリック空間に埋め込み、アドディティブ歪みO(log D)を持つことを示す。これにより、nの点集合Pを2O(D)n頂点と辺を持つグラフメトリックに埋め込むことができ、アドディティブ歪みはO(log D)である。また、任意のkについて、2O(D)nのステイナー頂点と2O(D)n·λk(n)の辺を持つ、O(k log D)のピュアアドディティブスパナーを構築する方法も示す。最後に、2O(D)nサイズの近似ボロノイ図を構築し、アドディティブ誤差O(log D)で近似近傍クエリを2O(D) + O(log n)時間で答える方法を提案する。
Abstract
本論文では、ポアンカレ上半空間HDの有限部分集合をグラフメトリックに埋め込む手法を提案している。
まず、HDをバイナリタイリングに基づく離散メトリック空間(BD, d1)に埋め込み、アドディティブ歪みO(log D)を持つことを示す。
次に、任意の点集合Pに対して以下の結果を得る:
Pを2O(D)n頂点と辺を持つグラフメトリックに埋め込み、アドディティブ歪みはO(log D)
任意のkについて、2O(D)nのステイナー頂点と2O(D)n·λk(n)の辺を持つ、O(k log D)のピュアアドディティブスパナーを構築する方法
最後に、2O(D)nサイズの近似ボロノイ図を構築し、アドディティブ誤差O(log D)で近似近傍クエリを2O(D) + O(log n)時間で答える方法を提案する。
これらの構築は2O(D)n log n時間で行うことができる。
Stats
ポアンカレ上半空間HDの点pとqの間のハイパボリック距離dH(p, q)は、2 arsinh((1/2)∥pq∥/√(z(p)z(q)))で表される。
離散メトリック空間(BD, d1)における2点p, qの間の距離d1(p, q)は、pからqに至る最小の移動回数で定義される。
離散メトリック空間(BD, d2)における2点p, qの間の距離d2(p, q)は、pからqに至る最短経路の長さで、その経路は水平移動を高々1回含む。
Quotes
"ハイパボリック空間は、ユークリッド空間とは大変異なる振る舞いをする。例えば、固定された次元では、ハイパボリック球の体積は半径に対して指数関数的に増大するが、ユークリッド球の半径は多項式的に増大する。"
"三角形は、その3点を結ぶ測地線によって形成されるが、その三角形は細長い性質を持つ。つまり、辺上の任意の点から、別の辺上の点までの距離は定数で抑えられる。"