Core Concepts
本プロジェクトは、スマートグラスのAR技術と生演劇を融合させた新しいメディアを通じて、遺産サイトの隠された歴史や困難な歴史について批判的に関与することを目的としている。
Abstract
本論文では、ロンドンのMarble Hill HouseとマサチューセッツのAshley Houseの2つの遺産サイトで実施された、世界初のミックスドリアリティ(MR)体験「Sancho's Journey」と「Jin's Dream」について紹介する。これらの体験は、18世紀の奴隷や解放奴隷の物語を明らかにし、大西洋奴隷貿易との関連性を示すことを目的としている。
これらのMRヘリテージパフォーマンス(MRHP)は、観客がホロレンズ2のHMDを着用し、俳優と相互作用しながら、ホログラフィックなコンテンツを体験するものである。俳優はIoTデバイスを使ってホログラフィックなコンテンツをコントロールし、物理的な演技とデジタルコンテンツの融合を実現している。
評価の結果、参加者は「魔法の瞬間」と呼ばれる演技とデジタルコンテンツの自然な融合に強く惹きつけられ、深い没入感を得ていることが明らかになった。また、参加者は重要な歴史情報を情動的に学習することができた。一方で、参加者の能動的な対話への欲求も示された。
本プロジェクトでは、これらの体験を共同で開発するための複雑なプロセスを反省し、デザインツールキットを開発した。このツールキットは、遺産組織、演劇会社、没入型メディア専門家が、脱植民地化を目的とした没入型体験を共同で設計・制作するための指針を提供するものである。
Stats
「Sancho's Journey」と「Jin's Dream」の合計で60回以上のパフォーマンスを実施した。
各パフォーマンスには約80名の参加者が集まった。
Quotes
「魔法の瞬間」と呼ばれる演技とデジタルコンテンツの自然な融合が、参加者の没入感を高めた。
参加者は重要な歴史情報を情動的に学習することができた。
参加者の中には、より能動的な対話への欲求を示す者もいた。