Core Concepts
量子状態|T⟩⊗nの近似安定器ランクは、Ω(n^2)/poly log(n)であることを示した。これは、量子回路シミュレーションの下界を与える。
Abstract
本論文では、量子状態|T⟩⊗nの近似安定器ランクに関する下界を研究している。
まず、ランダムな量子状態|φ⟩の近似安定器ランクが強い集中性を持つことを示した。具体的には、χδ(|φ⟩) ≤ Mの確率が exp(n^2 - Ω(2^n))以下であることを示した。
次に、|T⟩⊗mを用いて、ハール測度からの高精度サンプリングが可能であることを示した。これは、[LKS18]の結果を用いて、|T⟩⊗mを O(2^(n/2))個の量子ゲートで実現できることに基づく。
最後に、この適応測定が|T⟩⊗mの近似安定器ランクを増加させないことを示した。これらの結果を組み合わせることで、|T⟩⊗mの近似安定器ランクが Ω(n^2)/poly log(n)以上であることを示した。
この結果は、量子回路シミュレーションの下界を与えるだけでなく、古典的な関数の近似分解の下界にも応用できる。具体的には、ある関数Mの近似分解に必要な二次形式の項数が Ω(n^2)以上であることを示した。
Stats
量子状態|T⟩⊗nの近似安定器ランクは、Ω(n^2)/poly log(n)以上である。