Core Concepts
量子もつれ支援が不確実な場合でも、意味論的セキュリティを維持しつつ通信を行うことができる。傍受と損失の2つのモデルを考え、それぞれに対する達成可能な通信レートを導出した。
Abstract
本論文では、量子もつれ支援が不確実な場合の意味論的セキュリティを検討している。2つのモデルを考えている:
傍受モデル: イブが量子もつれ資源を盗み取る可能性がある。アリスとボブは、イブが資源を持っているか否かを知らない状態で通信を行う。
受動的eavesdropper モデル: 量子もつれ資源は環境に失われる可能性があるが、イブは受動的で資源にアクセスできない。
各モデルに対して、最大誤り確率と意味論的セキュリティの基準の下で達成可能な通信レート領域を導出した。
傍受モデルでは、時分割が不可能となり、達成可能領域の境界が不連続になる現象が見られた。一方、受動的モデルでは、提案する符号化スキームが時分割を上回るパフォーマンスを示した。
解析にあたっては、Caiの手法を拡張した新しい証明技法を導入した。これにより、最大誤り確率と意味論的セキュリティの両方を同時に扱うことができた。
Stats
量子もつれ資源が傍受される場合、保証される情報レートはR ≤ [I(X; B)ω - I(X; EG2)ω]+ である。
量子もつれ資源が失われる受動的モデルでは、保証される情報レートはR ≤ [I(X; B)ω - I(X; E)ω]+ となる。
Quotes
"量子もつれ資源は多くのアプリケーションで有用であるが、非常に脆弱なリソースである。"
"現実世界のメッセージは構造化されたデータから生成されることが多く、従来の秘密性の概念では不十分である。意味論的セキュリティが重要となる。"