Core Concepts
本論文は、三芯電力ケーブルの鎧層損失を正確に計算するための解析的な式を提示する。この式は、有限要素解析と比較して優れた精度を示している。
Abstract
本論文は、三芯電力ケーブルの鎧層損失の計算に関する重要な進展を示している。
序論
過去10年間、三芯電力ケーブルの損失と定格計算分野で大きな進歩があった。
これは、国際規格が損失を過大評価しており、不必要に大型で高価なケーブルが使用されていることが業界で認識されたことが背景にある。
本論文は、鎧層損失の正確な解析的な式を導出する。
三つの撚り合わせた導体が生成する磁界
三つの撚り合わせた導体が生成する磁界の式を導出する。
N本の鎧層ワイヤを等価な管に変換する
複雑な N本の鎧層ワイヤを、等価な管で表現する手法を示す。
管の複素透磁率を導出する。
鎧層を有する三芯ケーブル
等価な管で表現した鎧層を、三芯導体が生成する磁界中に置く。
Maxwell方程式を解いて、鎧層損失の式を導出する。
モデルの検証
導出した式と3D有限要素解析の結果を比較し、良好な一致を示す。
最大2.4%の誤差で、完全に鎧層されたケーブルの損失を予測できる。
考察
等価管への変換は、実際の鎧層ワイヤを良好に近似できることを示す。
導出過程での仮定が、精度に与える影響は小さいことを確認する。
結論
提案した解析的な式は、簡単に使用でき、ケーブル設計に活用できる。
式の形式により、鎧層損失に影響する主要な設計パラメータを理解しやすい。
Stats
三芯導体の中心から鎧層中心までの距離 ap = 52.25 mm
鎧層の平均半径 R = 115.6 mm
鎧層ワイヤの半径 r = 2.5 mm
鎧層ワイヤの導電率 σ = 5.3763 MS/m
鎧層ワイヤの相対透磁率 μr = 150-j50, 600-j350
鎧層ワイヤのピッチ pa = -100 m, -4 m, -2.4 m
三芯導体のピッチ pc = 1.2 m, 4 m, 2.4 m
鎧層ワイヤ本数 N = 25 ~ 135
角周波数 ω = 314.16 rad/s
三芯導体電流 Ic = 1000 A