Core Concepts
本論文は、配電系統オペレーターの収支中立的な収支メカニズムの下で、分散型エネルギーリソースを活用しつつ、配電系統の制約を満たすように需要家の行動を誘導する動的価格設定メカニズムを提案する。
Abstract
本論文では、配電系統オペレーターの収支中立的な収支メカニズムの下で、分散型エネルギーリソースを活用しつつ、配電系統の制約を満たすように需要家の行動を誘導する動的価格設定メカニズムを提案している。
具体的には以下の通りである:
需要家は、自家消費用の再生可能エネルギー発電設備と柔軟な負荷を有しており、エネルギー共有プラットフォームに参加している。
プラットフォームオペレーターは、需要家の行動を誘導するための2段階の動的価格設定メカニズムを提案する。
第1段階の事前価格は、系統の電圧制約を満たすように設定される。系統の状況に応じて、3つの価格帯に分かれる。
第2段階の事後精算は、オペレーターの収支中立性を確保するために行われる。
提案手法は、需要家とオペレーターの2段階ゲームの均衡解を導出し、社会厚生を最大化することを示している。
さらに、需要家の支払いを一律化する再配分ルールを提案しており、これにより系統制約が binding な場合でも需要家の支払いが一律になることを示している。
IEEE 13バス系統を用いた数値シミュレーションにより、提案手法の動的価格設定が需要家の行動を系統制約に沿うように誘導することを確認している。
Stats
系統全体の純消費電力Z0は、再生可能エネルギー発電量G0に応じて以下のように変化する:
G0 < σ1(g): Z0 > 0 (系統から電力を輸入)
σ1(g) ≤ G0 ≤ σ2(g): Z0 = 0 (系統との電力授受なし)
G0 > σ2(g): Z0 < 0 (系統に電力を供給)