Core Concepts
気象予報ワークフローにおけるI/Oコンテンションの問題に対して、DAOS高性能オブジェクトストアを活用することで、大規模な気象予報データの処理を効率的に行うことができる。
Abstract
本論文では、気象予報ワークフローにおけるI/Oコンテンションの問題に取り組むため、DAOS高性能オブジェクトストアを活用したFDBバックエンドの開発と評価について述べている。
まず、気象予報ワークフローの特徴と課題を説明する。気象予報ワークフローは大量のデータを扱う非常にデータ集約的なアプリケーションであり、データ量の増加に伴い、従来のPOSIXファイルシステムでは性能的な限界に直面している。
次に、DAOS高性能オブジェクトストアの概要を説明する。DAOS は分散非揮発性メモリ向けに設計された高性能オブジェクトストアで、サーバ側でのコンテンション解決、メタデータ操作の分散化、ユーザ空間での動作など、POSIX ファイルシステムの課題に対処する機能を備えている。
そして、DAOS上にFDBのカタログとストアのバックエンドを実装した設計と実装について詳述する。カタログバックエンドはDAOSのKey-Valueオブジェクトを使ってインデックス構造を構築し、ストアバックエンドはDAOSのArrayオブジェクトを使ってデータ格納を行う。
最後に、NEXTGenIOシステムを用いた性能評価の結果を示す。DAOS FDBバックエンドはPOSIXバックエンドと比べて、特にI/Oコンテンションが発生する状況で優れた性能を発揮することが確認された。また、Field I/Oベンチマークの結果とも整合しており、DAOSが気象予報ワークフローの要求に応えられる可能性が示された。
Stats
気象予報ワークフローでは1回の運用で約70TiBのデータが生成される。
1回の運用では約25,000,000個のフィールドデータが生成される。
生成データの70%は直ちに後処理タスクで消費される。