Concetti Chiave
機械学習型原子間ポテンシャル(MLIP)の化学的自由度を利用することで、組成変化を伴う材料の効率的なモデリングと自由エネルギー計算が可能になる。
Sintesi
本研究では、機械学習型原子間ポテンシャル(MLIP)の化学的自由度を活用する手法を提案している。
まず、入力グラフ構造を拡張し、各原子に化学的自由度に対応する重み付きの擬原子を導入する。これにより、組成変化を連続的に表現できるようになる。また、メッセージ伝播とエネルギー読み出しの過程を修正することで、この化学的自由度に対して微分可能な形式のMLIPを実現している。
この手法を用いて、固溶体の格子定数最適化や、空孔形成自由エネルギー、相安定性の計算などを効率的に行うことができる。特に、従来の手法に比べて、自由エネルギー計算の収束が大幅に速くなることが示された。
この化学的自由度を持つMLIPは、組成変化を伴う材料システムのモデリングや、分子・材料の生成モデリングなどへの応用が期待される。
Statistiche
固溶体Ce1-xMxO2 (M = Zr, Sn)の格子定数は、Zrの場合は組成xに対して線形に変化するが、Snの場合は正の偏差を示す。
固溶体BiSX1-xYx (X, Y = Cl, Br, I)の格子定数a, bは組成xに対して正の偏差を、cは負の偏差を示す。
BCC鉄の空孔形成自由エネルギーは、提案手法とFrenkel-Ladd法で良い一致を示す。
CsPbI3とCsSnI3のα相とδ相の相対安定性の自由エネルギー差は、提案手法とFrenkel-Ladd法で良い一致を示す。