Concetti Chiave
母体の体調によって、環境汚染物質AMPAがオタマジャクシの腸内細菌叢に及ぼす影響が異なる。
Sintesi
本研究では、広く環境中に検出されるグリホサートの代謝物であるAMPAが、ツノガエルのオタマジャクシの腸内細菌叢に及ぼす影響を調べた。特に、母体の体調がこの影響にどのように関係するかを検討した。
実験では、ツノガエルの卵塊を採取し、一部をAMPA溶液に、残りを対照群として飼育した。オタマジャクシの糞便を採取し、16S rRNA遺伝子解析によって腸内細菌叢を分析した。
その結果、AMPA暴露によって、オタマジャクシの腸内細菌バイオマスが減少し、細菌叢の組成が変化することが明らかになった。特に、母体の体調によって、Bacteroidota門とActinobacteriota門の細菌群の変化が異なっていた。母体の体調が良好な個体では、AMPA暴露によってこれらの細菌群が大きく変化したが、母体の体調が低い個体では変化が見られなかった。
これらの結果は、環境汚染物質の影響が、宿主の遺伝的背景や生理状態などの要因によって変化する可能性を示唆している。腸内細菌叢の変化は、宿主の健康に重大な影響を及ぼすため、環境汚染物質の影響を評価する際には、宿主の状態を考慮する必要があると考えられる。
Statistiche
AMPAに暴露されたオタマジャクシの糞便サンプルでは、外来性の細菌バイオマーカーの割合が対照群に比べて20.93±6.39%高かった。
Citazioni
母体の体調が良好な個体では、AMPAにより腸内細菌叢の構造と組成が大きく変化した。一方、母体の体調が低い個体では、この影響は見られなかった。