核心概念
サポートされたLOCALモデルにおいて、ラウンド除去手法を用いて、様々な基本的なグラフ問題に対する実質的に最適な下限界を導出した。
要約
本研究では、サポートされたLOCALモデルにおける下限界の導出に取り組んでいる。サポートされたLOCALモデルでは、ノードは入力グラフの情報に加えて、通信ネットワーク全体の情報を事前に知ることができる。
まず、ラウンド除去手法を拡張し、サポートされたLOCALモデルでの下限界を決定論的に導出する新しい手法を提案した。この手法では、ある問題Πに対して、別の問題Π'の非存在性を示すことで、Πの下限界を得ることができる。
この新しい手法を用いて、最大マッチング、アーブデフェクティブ彩色、アーブデフェクティブ彩色付き支配集合などの基本的なグラフ問題に対して、サポートされたLOCALモデルでの実質的に最適な下限界を導出した。これらの下限界は、これまでのLOCALモデルでの下限界と同等のものである。
さらに、決定論的な下限界から、ランダム化下限界への変換定理も示した。これにより、ランダム化アルゴリズムに対する下限界も得ることができる。
統計
サポートグラフの最大次数を∆とする
入力グラフの最大次数を∆'とする
最大マッチングの下限界は、Ω(min{(∆'-x)/y, log∆n})決定論的、Ω(min{(∆'-x)/y, log∆log n})ランダム化
アーブデフェクティブc-彩色の下限界は、(α+1)c ≤ min{∆', ϵ∆/ log ∆}のとき、Ω(log∆n)決定論的、Ω(log∆log n)ランダム化
アーブデフェクティブc-彩色付きβ-支配集合の下限界は、β = O(1)のとき、Ω(min{(¯∆/(α+1)c)1/β, log∆n})決定論的、Ω(min{(¯∆/(α+1)c)1/β, log∆log n})ランダム化