核心概念
OSDアルゴリズムを改良し、(N, K)線形ブロックコードのレート R = K/N に対して O(N^3 min{R, 1-R}^3)の複雑度でガウス消去を行う。
要約
本論文では、OSDアルゴリズムを改良し、ガウス消去の複雑度を低減する手法を提案している。
まず、最も信頼性の高い基底(MRB)と最も信頼性の低い基底(LRB)を分離する。これにより、MRBの情報位置とLRBのパリティ位置については、ガウス消去の対象から除外できる。
次に、ガウス消去の対象となる部分行列のサイズを制限する手法を提案する。これにより、ガウス消去の複雑度をさらに低減できる。
提案手法の性能評価では、BCH符号に適用し、MLD下限に近い性能が得られることを示している。また、ハードウェア実装の観点から見ても、ガウス消去の複雑度が大幅に低減されるため、実用的な実装が可能になると考えられる。
統計
ガウス消去の複雑度はO(N^3 min{R, 1-R}^2)から O(N^3 min{R, 1-R}^3)に低減される。
BCH(127,113)符号では、Bmax=7の制限付き複雑度デコーディングで0.05dBの性能劣化、Bmax=5では0.15dBの劣化が見られる。
BCH(511,493)符号では、Bmax=12の制限付き複雑度デコーディングでMLD下限に近い性能が得られ、Bmax=9では0.05dB、Bmax=6では0.25dBの劣化が見られる。
引用
"OSDアルゴリズムを改良し、ガウス消去の複雑度を低減する手法を提案している。"
"MRBの情報位置とLRBのパリティ位置については、ガウス消去の対象から除外できる。"
"ガウス消去の対象となる部分行列のサイズを制限する手法を提案する。これにより、ガウス消去の複雑度をさらに低減できる。"