核心概念
本論文では、アナリティックな数論の大きな篩不等式を新しく適用することで、疎畳み込みや関連する問題に対する高速アルゴリズムを提案する。特に、従来の手法では対処が困難だった課題を解決し、ランダム化アルゴリズムの成功確率を大幅に改善する。
要約
本論文では、疎畳み込みや関連する問題に対する高速アルゴリズムを提案している。主な内容は以下の通り:
疎非負畳み込み問題に対して、期待時間O(t log t)のラスベガスアルゴリズムを提案した。これは、従来の最速アルゴリズムの時間複雑度O(t log t log log t)を改善し、かつ成功確率1-1/poly(t)を達成している。
疎一般畳み込み問題に対して、長さN≤t^(2-ε)の入力ベクトルに対して、期待時間O(t log t)のモンテカルロアルゴリズムを提案した。これは、従来の最速アルゴリズムのΩ(t log^2 t)時間を改善している。
テキストとパターンのハミング距離問題に対して、決定性アルゴリズムでO(n√m log log m)時間で解くことができることを示した。これは、従来の最速決定性アルゴリズムのO(n√m(log m log log m)^(1/4))時間を改善している。
上記の改善は、アナリティックな数論の大きな篩不等式を新しく適用することで実現した。特に、mod-prime ハッシュ関数の衝突確率を改善することで、従来の課題を克服した。また、高確率での成功を実現するための新しい技術も提案している。
統計
疎非負畳み込みの出力スパース度tに対して、O(t log t)時間で1-1/t確率で正しい答えを出力できる。
長さN≤t^(2-ε)の入力ベクトルに対する疎一般畳み込みを、期待時間O(t log t + t(log log t)^O(1) log log Δ + poly log(NΔ))で解くことができる。ここで、Δは入力ベクトルの最大値。
テキストn文字、パターンm文字のハミング距離問題を、決定性アルゴリズムでO(n√m log log m)時間で解くことができる。