本論文では、既存の非微分的なラスタライザを確率的勾配推定を用いて微分可能なものに変換する手法を提案している。
まず、従来の確率的勾配推定手法では高次元の最適化問題では収束が遅いという問題点を指摘する。そこで、本手法では、ピクセルごとに勾配を推定することで、この問題を解決している。具体的には、ラスタライズ時にIDバッファやUVバッファを出力し、各ピクセルに寄与するパラメータを特定することで、高次元の最適化問題を効率的に解くことができる。
この手法を用いて、メッシュ、テクスチャ、ボリューム、サブディビジョン曲面、物理ベースのシェーディング、3Dガウシアンスプラットなど、様々なプリミティブの最適化を実現している。また、既存の微分的なラスタライザであるnvDiffRastと比較しても遜色ない性能を示している。
本手法の特徴は、既存のラスタライザエンジンに簡単に組み込めること、外部ツールや依存関係を必要としないこと、クロスプラットフォームであることなどである。ゲーム開発者などが、自身のエンジン内で3Dアセットの最適化を行う際に有用な手法といえる。
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