核心概念
地域社会の監視メカニズムを使うことで、個人とコミュニティの両方がモバイルプライバシーとセキュリティを共同で管理する能力が高まる。
要約
本研究は、地域社会の監視メカニズムを実装したモバイルアプリ「CO-oPS」を使った4週間の実地調査を行った。調査の結果、参加者の透明性、認知度、信頼性、個人参加、コミュニティ参加、コミュニティ信頼、自己効力感、コミュニティ集合的効力感といった指標が、調査前と比べて有意に向上した。質的分析からは、CO-oPS機能が参加者のコミュニティ内での知識共有と協力を促進したことが明らかになった。一方で、コミュニティ内の技術知識の差異や親密度の低さなどが、参加意欲の低下につながる課題として浮かび上がった。全体として、地域社会の監視メカニズムには、個人とコミュニティの両方のモバイルプライバシーとセキュリティ管理能力を高める可能性があるが、その実現には課題も存在することが示された。
統計
アプリの非表示機能を使った参加者は全体の49%であり、平均6つのアプリを非表示にした。
参加者の87%が少なくとも1つのアプリ権限を変更し、平均29の権限を拒否した。
参加者の78%が新しいアプリをインストールし、平均2つのアプリを追加した。一方で、16%の参加者がアプリをアンインストールした。
引用
「CO-oPS使うことで、プライバシーよりもセキュリティについて話し合うようになりました。友人のスマホアプリを見られるのは良くないと思います。」
「コミュニティメンバーの中には、モバイルプライバシーとセキュリティについてあまり知識がない人がいるので、その人たちの判断を信頼できません。」
「CO-oPS機能のおかげで、自分のアプリ権限を見直し、不要な権限を拒否することができました。」