核心概念
本研究では、水中環境における低照度、高濁度、低コントラスト、モーションブラーなどの課題に対して、量子古典ハイブリッドCNN手法を用いた水中画像の実時間オンボード分類手法を提案する。
要約
本研究では、自律型水中ビークル(AUV)に搭載されたカメラから取得した水中画像の分類に、量子古典ハイブリッドCNN手法を適用している。水中環境では、低照度、高濁度、低コントラストなどの課題があり、従来の機械学習手法では大量のデータセットと高計算コストが必要となる。
本研究では、量子エンコーディングと古典ニューラルネットワークを組み合わせたハイブリッド手法を提案している。具体的には、QCNN(Quantum Convolutional Neural Network)、FRQI(Flexible Representation of Quantum Images)、NEQR(Novel Enhanced Quantum Representation)の3つの量子画像エンコーディング手法を検討し、それぞれの性能を評価している。
実験の結果、QCNNが最も高い分類精度と高速な演算時間を示した。また、ハイブリッド手法は従来の古典CNNに比べて、50%小さいデータセットで学習可能であることが分かった。
さらに、ハイブリッド手法をAUV上で実装し、実時間での水中物体分類を行った。その結果、QCNNは60%の分類精度を達成し、古典CNNに比べて3倍高速な演算時間を示した。
本研究は、量子機械学習アルゴリズムを用いた水中ロボティクスの新しい可能性を示しており、自律型ビークルの実時間物体検知や回避に貢献できると期待される。
統計
水中画像の分類精度はQCNNで60%、DenseNet121で81%
水中画像の分類時間はQCNNで200ms、DenseNet121で2s
量子ハードウェアを用いた場合、QCNNの分類精度は46.2%
引用
"ハイブリッド量子古典手法は、従来の古典CNNに比べて、50%小さいデータセットで学習可能である。"
"QCNNは60%の分類精度を達成し、古典CNNに比べて3倍高速な演算時間を示した。"