核心概念
有限サンプルにおける非パラメトリック周波数領域システム同定の性能保証を示す。周期的入力下でETFEの推定誤差が√M/Ntotの速度で収束することを示し、さらにH∞ノルムでの一様な保証を得る。
要約
本論文では、有限サンプルにおける非パラメトリック周波数領域システム同定の性能保証を示す。
- 問題設定
- 離散時間線形時不変システムを考え、入力u_tと出力y_tが有限サンプルデータとして与えられる。
- ノイズv_tは有界な入力u_tと、時間領域で色付けされた正規分布に従う白色ノイズe_tによって生成される。
- 周期的入力u_tを用いて、所望の周波数グリッド{2πℓ/M}_{ℓ∈[M]}上の周波数応答G(e^{jω})を推定する。
- 推定手法
- 経験的伝達関数推定量(ETFE)を用いて周波数応答を推定する。
- 入力u_tは周期的であり、M個の周波数成分のみを持つ。
- 有限サンプル保証
- 推定誤差∥G(e^{jω_k}) - ̂G_k∥_op が√M/Ntotの速度で収束することを示す。
- ここで、Ntotは総サンプル数、Mは推定対象の周波数数である。
- 誤差の上界は、入力の大きさ、ノイズの性質、システムの安定性に依存する。
- H∞ノルムでの保証
- 全周波数域でのH∞ノルムの推定誤差について、N^{-1/3}の収束率を示す。
- これは非パラメトリック関数の最適な収束率を反映している。
- 数値例
- シミュレーションにより、理論的な結果を確認する。
- 固定周波数グリッドでの誤差は√N^{-1}の速度で減少し、H∞ノルムでの誤差はN^{-1/3}の速度で減少することを示す。
統計
入力の大きさは∥u_t∥_2 ≤ D_u
ノイズの分散は σ^2_e